◆ル・コルビュジエ 『輝く都市』
 

-輝く都市はファンタジー-


 

産業革命前夜

 産業革命とは職人のもつ技能を機械が代わりに引き受けることを意味していた。
 その変化は急激なものだった。

 産業革命が起きるわずか一〇〇年ほど前まで、イギリスでは”技能(クラフト)”という言葉すらなかった。
 職人の持つ能力は、”秘伝(ミステリー)”という言葉であらわされ、それは徒弟制度のなかで受け継がれるものであった。

 この能力が”技術(テクノロジー)”として認識され、知識化されて体系的に整理される。
 それによって産業革命の準備が整ったといえる。

 技術は知識として伝播されることで世界規模で大きな転換をもたらした。

 産業革命は単に蒸気や水力を動力とする大量生産ということだけではない。
 技術の知識化による社会と文明の転換であった。

輝く都市 (http://www.fondationlecorbusier.fr)

輝く都市
(http://www.fondationlecorbusier.fr)

 新しい機械と素材、その発明と進化のスピードを止めることは誰にもできなかった。

 もちろん抵抗する運動がなかったわけではない。
 イギリスでもドイツでも暴動が起きている。

 それでも人々が工場で働くようになったのは、そのほうが豊かな生活をおくることができるからだった。

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