◆藤森照信 『日本の近代建築(下)―大正・昭和篇―』
 

-日本の建築の起源-

 

下巻の概観

 日本近代建築の通史を新書二冊にまとめた良書の下巻。
 上巻で扱った時代は幕末・明治だったが、下巻では大正・昭和についての考察となる。

 上巻の最後に登場した日本人建築家を第一世代とよぶ。
 彼らはそれまでの大工の棟梁の延長で”建築”をしたものとは異なり、外国人建築家から建築を学んだものたちであった。

 彼らのさらに次の世代が、下巻の主人公たちである。
 「第一世代は実質的に明治とともに終った。そして、新しい世代が明治末年―一九一〇年―から一気に力を伸ばし、日本の歴史主義に新局面を切り拓いてゆく」と書いたあとで、建築家の名前が並ぶ。

 横河民輔、長野宇平治、伊東忠太、武田五一、中條精一郎、野口孫市、桜井小太郎という東京帝国大学出身の第二世代。

伊東忠太設計、一橋大学兼松講堂 (https://ja.wikipedia.org)

伊東忠太設計、一橋大学兼松講堂
(https://ja.wikipedia.org)

 さらにもうひと世代あとの、田辺淳吉、佐藤功一、安井武雄、大江新太郎、渡辺節、岡田信一郎、長谷部鋭吉、渡辺仁。
 この世代が、第二次世界大戦まで続く。

 また、これらの建築家とは別に、モダニズム側の建築家についても書かれる。前川国男、坂倉準三、丹下健三といった建築家たちのことである。

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