◆B・タウト 『建築と何か』
 

-部分と全体の釣合い-


 

日本とも馴染みの深い建築家

 本書は建築家ブルーノ・タウトによって書かれた。
 タウトはドイツ、東プロイセン、旧ソ連によって複雑な歴史をたどることになる街で一八八〇年に生まれた。

 幼少から青年期にかけてはドイツで過ごしているが、その後、旧ソ連に渡る。
 ナチスからはソビエト側に近しい人物とみなされ、ドイツ国内での活動に対し妨害を受けることになる。
 そのためタウトは日本や旧ソ連など外国で過ごすことになる。

 日本滞在中には桂離宮についての著作を書き、世界にその魅力を伝えた。
 本書も日本滞在中に執筆している。

 本書執筆中の心境についての参考として、巻末に当時の日記の抜粋が収められている。
 そこには「建築の本質を究明しようとする<大著>に着手した」、「私の犯した誤謬をも含めて、一般に建築における誤謬を確認したもの」とあり、意気込みの強さが感じられる。

 タウトの建築作品として、もっとも有名なものは「ガラスの家」であろう。
 これはケルンの工作連盟の展覧会のために建てられた、二〇世紀を代表する建築作品として知られる。
 他にも世界遺産に登録される建築作品がいくつもある。

 建築家としても世界的に評価の高いタウトが、その晩年に近い一九三〇年代に書いたのが本書である。
 タウトが”建築の本質の究明”として書いた内容とはどのようなものだったのか。

ガラスの家 (http://ja.wikipedia.orgより)

ガラスの家
(http://ja.wikipedia.orgより)

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