◆ウィトルーウィウス 『建築書』1/2
 

-世界でもっとも古い建築書- 1/2


 

建築書の起源

 建築書を読んでいると、同じ書名に何度も出くわすときがある。
 そのなかの一冊に本書、ウィトルーウィウスの『建築書』がある。

 ウィトルーウィウスについては『建築書』の著者であるということ以外はほとんどわかっていない。
 出生地やその生涯についても不明である。
 どうやらローマ市民であったようだが、それも推測の域をでない。

 『建築書』そのものについても不明な点が多い。
 書かれたのがいつなのかもわかっていない。

 『建築書』に言及している書物で、もっとも古いものが紀元一世紀後半にあるので、その頃には書かれていたことがわかっている。

 本書の冒頭で呼びかけられる、カエサルに対してつけられた尊称から、紀元前二七年以前に書かれたとする見方もある。

 本書に登場する建築物もすべて紀元前のものである。
 これらのことからも紀元前に書かれたと考えるのが妥当であろうと思われる。

『建築について』をアウグストゥスに披露するウィトルウィウス(右) (http://ja.wikipedia.org/より)

『建築について』をアウグストゥスに披露するウィトルウィウス(右)
(http://ja.wikipedia.org/より)

 

 近代語に訳されたのは、もっともはやいものでイタリア語の一五二一年。
 ドイツ語とフランス語には一五四七年に近代語に訳されている。

 広く読まれるようになる訳書が別に存在している場合もあるが、だいたい十六世紀にヨーロッパで読まれるようになった。
 とくにルネサンスの建築家は本書を拠りどころとしていた。

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