◆オットー・ヴァーグナー 『近代建築』
 

-変わらないものはなにもないということだけが変わらないということ-


 

古典主義から近代主義への変化を体現した建築家

 現在から過去へと建築の歴史をさかのぼったとき、近代建築前後で大きく流れが変化したといえる。

 それ以前の歴史にある建築は現在の建築と大きく異なっている。
 近代の前後には大きな断絶が存在している。

 本書の著者であるオットー・ヴァーグナーは、近代建築の源流にいる建築家のひとりとして数えることができる。

 ヴァーグナーは一八四一年にウィーンで生まれた。
 ベルリンで古典主義的な建築を学んで建築家となり、その生涯のほとんどをウィーンで過ごした。

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(https://en.wikipedia.org)

 彼の初期の建築作品には古典主義的な要素が多数、見られる。
 おそらくそれらを見て、「近代建築」という単語と結びつける人はほとんどいないだろう。

 しかし後期の作品には近代主義的な萌芽が見られる。
 ヴァーグナーとは、まさにその作品の経歴のなかで古典主義から近代建築の誕生までを体現した建築家であるということがいえるかもしれない。

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