◆R・ヴェンチューリ 『建築の多様性と対立性』
 

-語ることの難しさ-

コルビュジエとヴェンチューリ

本書はその内容に対する言及よりも、冒頭に収録されたヴィンセント・スカーリーによる紹介文が引用される機会のほう多いかもしれない。

「この本は、一九二三年のル・コルビュジエ著『建築をめざして』以降、建築について書かれた著作のうち最も重要な本」とある。

スカーリーは紹介のなかでル・コルビュジエとヴェンチューリを対比的に語り、後者の考察がいかに優れているかということを強調する。

しかし本書を読んでみると、ヴェンチューリ自身はコルビュジエに対して自身と比較するような視点はとくに持ち合わせてはいない。
ヴェンチューリは本書のなかで自身の論を補強するために多くの建築作品を取り上げており、そのなかにはコルビュジエの作品がいくつも含まれている。
コルビュジエに対しては一定の評価をしているように見える。

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