◆R・ヴェンチューリ 『建築の多様性と対立性』
 

「多様性」と「対立性」=いろいろな要素をまとめている  …だから素晴らしい?

この「多様性」と「対立性」について、じつに多くの建築写真を用いながら、その例証を並べていく。

ここでは現代建築に限らず19世紀以前の建築も参照されている。
ヴェンチューリは芸術における全体の統合の重要さを説き、それまでの現代建築にありがちな排除によって達成される安易な統合よりも、包合によって達成される複雑な統合を重要視するのである。

これはそのままポストモダンのありかたのひとつであるといえる。
このことは磯崎新の『建築と解体』においても述べられている。

では包合によって達成される複雑な統合がより重要なのはなぜか。
多彩で広範囲の要素を含むということに価値を見出すのなぜか。

たしかに要素を排除していきながら全体性を統合させることよりも、さまざまな要素を含みながらその上で全体のまとまりを崩さないことのほうが、よい難度の高い作業であるということはいえる。

それでは全体を統合するときに難度が高いほどよいものなのだろうか。
この問いは芸術の価値とは何かということに繋がる。

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